意外と知られていない!?難聴の「聞こえ」に関する話

体験談

「難聴者は耳が遠いから大きな声で話さないといけない」というイメージを持たれていませんか?実はその認識は正確ではありません。難聴にもさまざまなタイプがあり、それぞれに異なる「聞こえ方」があります。

たとえば、花粉症でも目がかゆくなる人、鼻水が止まらない人、またその両方の症状が出る人など、タイプがさまざまですよね?難聴も同じです。ここでは、私の体験を交えて難聴の「聞こえ」に関する意外な事実をお伝えします。

聞き取りやすい音量と音の高さ

聞き取りやすい音量には範囲があり、その範囲を外れると音が大きくても聞き取りにくくなります。たとえば、私の場合、突発性難聴になってから特に高音域が聞き取りにくくなりました。私にとって聞き取りやすい音量は80dBほどで、これは電車や地下鉄の車内くらいの音量と言われています。

音の大きさと高さの図

この音量がどれくらいか試してみたい方は、iPhoneの設定で「コントロールセンター」にある「聴覚」をオンにしてください。すると、コントロールセンターに耳のマークが表示され、イヤホン使用時などに音量が何dBか確認できるようになります。ちなみに、80dB以上の音を1週間に40時間以上聞き続けると難聴リスクが高まるとされています(参考:WHO Safe Listening Devices and Systems 2019 / 日本語解説: TTC情報通信技術委員会)。

人によって異なる「聞き取りやすい方法」

「聞こえにくいなら耳元で話しかけよう!」と思ってくれるのはありがたい気遣いですが、少し待ってください。難聴者にもそれぞれ得意なコミュニケーション方法があります。

私の場合は、口元の動きを見ることで会話の内容を理解しやすいです。ほかにも、筆談が役立つ人、手話やジェスチャーが得意な人など、難聴者によって「わかりやすい方法」は異なります。ですから、まずはその人にとって聞き取りやすい手段を尋ねるのが大切です。

話す速度と言葉選び

話すスピードについては、一般的に早口よりはゆっくり話す方が聞き取りやすいことが多いです。たとえば、ラップのような速い口調は、私も字幕なしでは内容を把握しにくいです。

ただし、ゆっくり話すことが必ずしも聞き取りやすいわけではありません。ある日、「たまごを買ってきて」と言われた際、私は「たばこもってきて」と聞き違えたことがありました。このように、一音一音区切って話すと逆に聞き間違いが起きやすくなります。

聞き取りやすいスピードは、具体的には1分間に300文字程度で、ニュースキャスターが話す速さくらいだといわれています。しかし、普段からニュースキャスターのように話すのは難しいと思います。そこで、話す際には、相手が話すペースに合わせると自然とわかりやすい速度になることが多いです。

最後に

今回は、難聴者の「聞こえ」について、私の体験を交えてお話ししました。この情報が皆さんにとって、難聴について理解を深めるきっかけになれば嬉しいです。ご一読ありがとうございました。

ご意見やご感想があれば、Instagramでお聞かせください!また、皆さんの体験談や質問もお待ちしています。

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