先日、地域の劇場で『ケアニン〜心に咲く花〜』という介護をテーマにした映画を彼女と一緒に見てきました。この映画は、介護現場の現実と葛藤、そしてそこにあるやりがいを描いた感動作です。私は看護師として働いていた経験があり、この映画はまさに私が現場で感じていた課題や苦労と重なる部分が多くありました。
実は、私は看護の現場を離れることを決意しており、この映画を見れば、その決断に対する何かしらの答えやヒントが見つかるかもしれないと思い、劇場に足を運びました。今回は、その映画を通して私が感じたこと、そして自身の経験を振り返りながらお話しします。
映画『ケアニン〜心に咲く花〜』とは?
この映画は、介護福祉士の大森圭(演: 戸塚純貴)が主人公の続編作品です。圭は小規模施設から大型の特別養護老人ホームに転職し、効率やリスク管理を重視する施設の運営方針に戸惑います。そんな中、認知症の利用者である三重子が入所し、彼女の介護を通じて圭は様々な困難に直面します。
圭は、美容サロンを施設に導入するなど、利用者のために工夫を凝らしながら働きますが、その行動が職場のチームワークを乱すとして、上司や理事長から厳しく叱責される場面も描かれます。この映画は、介護現場でのジレンマや苦労、そして利用者に対する深い愛情とやりがいを描いた作品であり、介護職の本質をリアルに伝えています。
自身の経験との重なり
私が最初に働いたのはデイサービス施設で、体調管理や浮腫のケアなど、日々の業務に奮闘していました。もっと多くの技術を学びたいと思い、病院へ転職しましたが、そこでは治療が優先され、オムツ交換や処置、記録など、ルーティンワークに追われる毎日でした。
突発性難聴を患い退職後、友人の紹介で再びデイサービスに入職しましたが、わずか2人の職員で14人の利用者を対応するという過酷な状況。業務に追われ、利用者を楽しませるための時間も十分に取れず、精神的にも限界が来てしまいました。
介護の現場では、効率や安全面を重視するあまり、本当にやりたいケアや心のこもったサポートが難しいことが多々あります。映画『ケアニン』の中で描かれている圭のジレンマは、まさに私自身が感じていた葛藤そのものでした。利用者に最善を尽くしたいという思いと、現場での限られた時間や資源の間で揺れ動くことは、どの介護士・看護師も経験することだと思います。
介護・看護職の現実と理想
看護学校では、1人の患者に対してじっくりと計画を立て、実行することが推奨されますが、現実の現場ではその理想と実際の業務の間に大きなギャップがあります。私もそのギャップに苦しみ、精神的にも疲弊しました。そして、「やらなければならないこと」と「理想とするケア」の狭間で葛藤しながら、最終的に看護師としての道を離れる決断をしました。
看護師・介護士を目指す方へ
介護や看護は、社会的にも非常に重要でやりがいのある仕事です。しかし、その分、大きな責任やプレッシャーが伴います。映画『ケアニン〜心に咲く花〜』は、その苦労と同時に、仕事の喜びややりがいも描いています。
これから看護師や介護士を目指す方には、ぜひ多重課題をこなすスキルや、現場での柔軟な対応力を学生のうちから意識して鍛えてほしいです。そして、自分が大切にしたいケアの理念を忘れず、現場でのバランスを見つける力を持ってください。
終わりに
今回は映画『ケアニン〜心に咲く花〜』を見て感じたこと、そして私自身の経験を振り返りながらお話ししました。この映画は、介護の現実をリアルに描きつつも、そこで見出されるやりがいや喜びも伝えてくれる素晴らしい作品です。皆さんもぜひ機会があればご覧ください!
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